津山肉第二弾はヨメナカセ。ちなみに第一弾はこちらです。
ヨメナカセはもちろん岡山県津山市の呼び名で、一般にはコリコリやハツモトと呼ばれる部分です。部位としては心臓付近にある太い血管壁のようです。
なぜ津山市で、これをヨメナカセ(嫁泣かせ)と呼ぶかには諸説あるそうですが、どれもが現代のコンプライアンスに引っかかりそうな由来。
①下処理が大変で嫁が泣く
②誰が調理しても旨いので嫁の仕事を奪い泣かせる
③旨いので嫁に食べさせず泣かせる
④滋養強壮効果で夜が強くなり、別の意味で嫁を泣かせる
下処理だけさせて旨い旨いと独り占めして食った後にやることはやる!モラハラとパワハラとセクハラのコンボ!
まぁ、とあるヒステリックな団体にかかれば秋茄子よりも社会問題化しそうなものですが…個人的にはそういう由来があるんですねーで済む話なのであくまで紹介程度で。
そんなヨメナカセですが、この近辺ではまず津山市でしか見かけないものです。スーパーに血管壁が置いてある光景は、他所の人には馴染みのないものだと思います。
もちろん持ち帰って色々試してみました。
現代のヨメナカセは、①のような苦労を奥様方に強いることないよう既に下処理がされてパックになっています。
また、②③に関しては女性の食レポも現存し、現代では誰でも購入すれば食べられます。
問題は④…。齢30代にして不惑に入りつつあるワタクシに、果たしてあの狂おしく輝かしい青春の時は戻ってくるのか?そして、肝心の味はどうなのか?
というわけで、まずはシンプルに湯掻いてみます。足すのはネギとポン酢だけ。
ヨメナカセポン酢
まさにツウの珍味と言ったところ。ひたすらコリコリコリコリコリコリしますが、噛むと微かに牛由来の旨味があります。
このコリコリ感ですが、モツ肉にありがちな口の中に残るものではなく、歯がザクザク入っていき口に残りません。噛みごたえと儚い味わいがとても酒向きな気がします。
次は揚げてみる。 塩コショウを振り片栗粉をまぶして唐揚げにするだけ。
ヨメナカセの唐揚げ
反対に固さが増し、コリコリ感とサクサク感で妙に軽くなりました。予想していた方向性とは真逆に。
これはこれでおつまみ向きです。味付け衣でもう少し揚げるとスナックになりそうな気がします。
単純に焼くとどうなるんだろうか?と言うわけで、味噌ダレにニンニクの芽を足して炒めてみます。
ヨメナカセの味噌炒め
ここにきて大当たり\(^o^)/味の弱い食材かと思いきや、味噌を足してもヨメナカセ全然負けない。 そして、辛めの味噌ダレとニンニクの芽がパンチを効かせて白米も酒もいける味に。
おつまみ色が強いように考えていましたが、ご飯にも合いそうな料理になりますね。一品さっと炒めてご飯も晩酌も全方位でカバーできるなんて、奥様方にとってはとても楽な食材かもしれません。
津山市ではこの側面があるからこそ普及しているのかも。
簡単調理で美味しいヨメナカセ。本当に楽で美味しい変わった食材なので、見かけたらぜひ試してみてください。
ちなみに余談ですが… ④の効果は一切ありませんでした。
少なくとも④に関しては、説の一つではあるもののそういった効能はないと思われます。
なお、そういったお悩みを抱えているかたは、岡山県であればここなら解決できるかもしれません。
通りかかった時のインパクトと言ったらそれはもう…
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