島根県の江津市と浜田市に展開するスーパーマーケット、服部タイヨーさんには時折…というか結構な高確率で、他所では見かけないような品が割と置いてあります。
冬〜春先までの個人的なお気に入りは、やはり魚の肝のみをパックにしているもの。割とアンコウは見かけますが、さすがは服部タイヨー…こんなものもごくたまに置いています。
これはエテカレイの肝です。エテカレイとはソウハチガレイのことで、主に日本海沿岸では干物にされているカレイです。写真のものは持って帰り方が悪い状態ですが、店頭に並んでいるものはとてもキレイです。
エテガレイの肝は、恐らく干物に加工する際邪魔になった廃棄物でしょう。しかし、肝なので足が早く流通経路に乗せられないため、こうして地元の人達だけの[おこだわり]食材となっている模様。そして、干からびた死体だけが日本海の旨いものとして全国流通しているのです。
こんな面白いことを隠していたなんて、僕は今でも本気で怒っていますよ!
服部タイヨーでもごくたまにしか見かけないキモのみパックですので、ここは珍しいアンコウ以外を入手してみました。エテカレイのキモとバトウのキモ…これをぜひ食べ比べてみたい。
こんな珍味を見つけたらそりゃあやるしかないですよね\(^o^)/アレですよアレ!アレをやらないと!
お酒を飲んで酔っ払うのが得意なフレンズはみんな大好きなアンキモ。これはもちろん、キモの量さえそれなりにあれば別の魚の肝でもできて、家で簡単に作ることが出来ます。
作り方は簡単。肝を水で洗い、水分を切って適度に切り分けます。少量の塩と酒を入れて
ラップで巻いてキャンディ状に。
あー……………
…………………ハッ!
一瞬の逡巡の後、なぜ北関東のとりせんで見た袋入りしもつかれを思い出した!?
袋の形状のせいか!?それとも、出てくる場所の上と下の違いとでも言うのか!?
気を取り直して即席蒸し器に投入。
中華鍋風のフライパンに足付きの蒸し器を入れて水を張り、上からお好み焼きの皿(広島県人ならだいたい持ってる)で蓋をして15分ほど蒸しました。
粗熱を取り冷蔵庫へ。
蒸された肝からは脂が出ており、これを冷やすことで形を作る料理なので、熱が完全に取れないまま封を破ると崩れます。一晩くらいは置いといたほうがいいと思います。
それを包丁で一口大に切り、それぞれネギとポン酢をかけます。もしもみじおろしを添えたかったら、一味と混ぜてしばらく置いておくと良いです。ワタクシの場合、卑怯調味料のもみじおろしポン酢を使用しているので無問題。
こちらが
バトウのキモ蒸し。
こちらが
エテカレイの肝蒸し。
バトキモを食べると…
モニュモニュした肝にしては強い噛みごたえ、そして強い肝の香りがぶわああああっと口の中に広がります。まさにこれは新鮮な肝の味わい!
肝としては割と淡白でハード系。これは酒のアテに最高だ\(^o^)/
と思いながら、次はエテキモをパクリ…
超 絶 濃 厚 !
バトウの肝と明らかに異なり、ネットリとした食感で舌の上で溶けます。溶けてなお肝のコクが口の中で爆発し余韻を引きまくる感じ。これは旨い!
これは完全に肝に含有されている脂の性質でしょう。春の夜中の温度でこれだけ脂の溶け出し方が違う。
こっちがバトキモ。
こっちがエテキモ。
エテキモのほうはバラバラにポン酢の中に散ってしまっていますが、バトキモのほうはがっつり形を残しています。多分、十人中八人はエテキモ推しではないでしょうか。柔らかければ旨い、そう習ったよ。
ちなみに、バトウの肝は肝にしてはタンパクで控えめなので、味を足してやるとこれが最高に美味のものになります。
甘辛く濃く煮付けてやると…
トロットロでうんまい!
食べた感じ、エテキモはあまり煮付けに向かない気がします。また、芯が強いバトウのキモは甘じょっぱい味付けがマッチし、非常に美味です。どちらが上というものではなく、適材適所の調理法があるんだなぁ…と感じずにいられません。
服部タイヨーさんでもなかなか売っていないレアなキモパック。見かけたら即買いですが…キモは傷みやすいので、そこら辺の対策をした上で安全に持ち帰っていただけたらと思います。
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