【島根県出雲市】島根の秘宝”十六島”

島根県松江市で全国的に有名なのは、やはり宍道湖でしょうか。白鳥が渡来する湖で、しじみやうなぎが有名です。


余談ですが、ここの白鳥は地味に餌付けされているらしく…人を見ると無音ですぅーっと近寄ってきます。そして、見に来た人が何も持っていないことを確認するとまた無音ですぅーっと離れていきます。だからといって野生動物に餌付けするのは感心しませんが。

写真が汚いのは、携帯カメラで拡大撮影したため(笑)こういうときに一眼レフとか欲しくなりますね(笑)


松江市の地形として、宍道湖から日本海側の平野である出雲市・松江市に都市機能が集約され賑わっていますが、そこから壮大な日本海側を望むには、一つ山を越えて行かなければならず、これがどうも観光客よけというか…外から来る人の目隠しとして機能し、なんか秘境っぽい匂いを醸し出しています。


そして、行政もその目隠しに加担しているフシがある。(道路脇看板を拡大してみてください)


出雲市から日本海側を目指して奥へ奥へと進んでいくと、よそ者避けの看板があちこちに立てられている。


そんな島根県の皆様が守りたい地域は、とても荘厳でした。

フォトジェニックーーーーー\(^o^)/


ちなみにこちらは、出雲市十六島町。素直に読んだ人の心は美しいですが、呼び名は”じゅうろくしま”でも”とろくしま”でもない。


このエリアは”うっぷるい”と呼ばれています。


大阪在住時に難読地名の修行をしてきたワタクシですが、これは読めんかった!我孫子や中百舌鳥のほうがまだ納得できるが、なんでうっぷるいなんだろう?


これには諸説あり、現在でも解明には至っていないようです。米子市で地続きの七類と、”るい”の部分はなにか関係があって意味があるんだろうか?とても気になります。


この沿岸はロケーションもキレイですが、心なしか寂寥感や自然の雄大さなども感じられとても良いところです。店目的とかだとちょっと距離的に辛いものがありますが、バイクで走るとかなり気持ちよさそうですね。

しかし、島根県の人たちが守りたい十六島は景色だけではない。




島根県松江市とその近隣で珍重される、十六島海苔(うっぷるいのり)というものがあります。


まずびっくりするのはその値段。10g1500円オーバーの代物で、そんじょそこらの牛肉より高い。


地元価格で購入しても、このパックで1200円程度です。中身は簡単に言うと、味海苔三枚。

パケに入ったなんかの怪しい乾燥キノコの値段かと思うくらいですね。


この海苔は一般的に思い浮かべる板海苔や青海苔などの乾燥されたものは異なり、若干半乾きで海藻感が凄いです。しかし、やはり海苔らしく赤みを帯びた真っ黒の見た目


どうもこれは、十六島近隣で手摘みされた海苔のようです。値段にびっくりしますが、海女さんが寒い冬に一生懸命選んで手摘みした極上の天然海苔と考えれば、この値段も納得できるというものです。


島根県松江市では、これを正月に雑煮にして食すといいます。


というわけで、ワタクシもやってみました。先に断っておきますが、あまりに高価で数を購入できない(貧しいもので…)ので、これ以外の調理法に関しては、すべて想像でしかありません。


十六島海苔の入る雑煮はすまし汁バージョンのようなので、完全にご当地ではないですが、すまし汁の雑煮を作りました。


ちなみに十六島海苔は、食べる前日から水に漬けて塩抜きしておく必要があります。


松江のお雑煮in十六島海苔\(^o^)/

単価で考えると卒倒しそうなくらい高級なお雑煮です。しかしてその味は…


海苔の香は優しくも強く、さりとて出汁の味を全く邪魔しない。


近年の高級なものは、大量の脂身だったり強い味だったりするものが好まれる傾向が強いですが、これはなんか、存在感を醸し出しつつ周りと調和する具合がとても雅。


意外と歯ごたえが強くて食味は面白いです。ジョキジョキした海藻の歯ごたえが好ましく、噛めば噛むほど吸い込んだ出汁と共に、優しくも強い海苔の純粋な香りが口の中で弾けます。


海苔と言われるととても不思議です。なんかとても美味しい。激しく旨いってノリじゃなくて、なんか静かな感じで美味しい。


柔らかい海苔だからといって、スーパーでよく見かける瓶入りの海苔とは一線を画するものです。あんなもの足元にも及ばない。優しく奥で香を焚くようにじわりと広がる海苔本来の味がとても新しいです。古くからある食材なのに。





ちなみに十六島海苔は、マツコの知らない世界でも取り上げられたようで…なんとたらこパスタにかかっていたようですが、「海苔だけ食べても十分美味しい」とのジャッジだったそうです(笑)それ分かるわー。


むしろ、海苔単体で揚げたり煮たりしてみたい気もします。また、塩抜きしたままご飯にかけてみたい。生卵と合わせたりすると良さそうだし、単に出汁を加えて摺り流すようにした小鉢で食べてみたい。本当にそう思いますが…


十六島海苔は高価かつ、漁期も12月〜2月までと相当短いため、簡単においそれと手に入るようなものではありません。そしてその高価さと高貴さから、アレンジ料理に使って良いのか…という気持ちも湧いてきます。


いずれ、なんか吹っ切れたらやってみたいですが、経済的な部分も含め、一般ピープルであるワタクシにはなかなか機会は巡ってこない気もしています(笑)


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