広島県内でも観光で有名な街、尾道市。平日でも旅行者らしき人を多く見かける街です。
平日でもキャリーバッグなどを持って他所から訪れてくれる人も多く、広島県内では市内を除き珍しく県外の人が訪れる場所です。
そんな尾道の名物食の一つに、全国的にも少々知名度のあるものに尾道ラーメンがあります。観光客が訪れる市街地には、元祖である朱華園や有名店のつたふじなどがあり、もちろん美味しいですが… 意外と他所の人が知らない有名店もあります。
そこは昔からある店で、広島の東側に行く際に前を通ったことは何回かあったのですが、まさかここがそうだったなんて…!
観光のメインストリームである尾道駅から福山駅方面に一つ向こう側の、東尾道駅。
ここは完全に地元ゾーンで、県外の人たちはほとんど入ってこない。 理由は、クルマがなければ移動もうまく立ち行かない生活エリアだからです。
そこのメイン道路は旧二号線で、国道にしては狭く、クルマの往来も少しストレスを感じるレベル。
ちなみに広島県人の運転マナーは全国的にもかなり悪く、せっかちな県民性なので、他県人の人たちには少し怖い道かもしれない。
しかし、そんなせっかちな地元民が黙って並ぶほど食いたいお店が、中華 萬来軒。
古い地元の中華飯店のような感じで、ラーメンも数種類、点心と中華料理も取り揃えています。ラーメンで有名なのに、ラーメンだけで勝負していないお店のようです。
特に休日の昼時は、えぇ…と引くほど並んでいますが、そこは御安心を。
ここの店主はとても仕事が早いようで、食べログには
”提供スピードは迅速なものがあり、まったく待つ時間が不快とは感じませんでした。チャーハンは開店と同時に炒められているようで、入店してチャーハンを注文したお客さんは10秒でチャーハンが提供されていました。”
とあるほど速い。一体どんなオペレーションでやっているのか…というくらいなので、多少並んでもそこまで待たされることはありません。
メニューに関しては、混雑時にはメニュー表を取って見るほどの余裕はありませんでした。正面の壁に大きく書かれているものが、休日でも出せるメニューのようです。
尾道ラーメン…という表記はなく、壁に大文字で書かれている拉麺[ラーメェン]というメニューが通常の尾道ラーメンです。ちなみに、いわゆるチャーハンは什景炒飯[スゥチンチャオファン]と書かれたものがスタンダード。
しかし、注文の際は「尾道ラーメンとチャーハン」で十分通じます。
そして…地元民に愛される尾道ラーメンが迅速に到着。
すでに香りから濃い。
醤油と背脂の混じった甘くてしょっぱい香りの奥に、明確に煮干しの匂いがあります。麺はやはり、尾道ラーメン特有の平麺ではせべ製だそうです。
やはりと言うべきか…昔ながらのラーメンは、豪快に混ぜて食べるほうが良いと思います。
かき混ぜて一口… なんて濃くて旨いんだ…!!
個人的なイメージで思うに、尾道ラーメンはどちらかというとあっさり系だと思っていました。醤油ベースのあっさりスープに、背脂を足して甘さやボリュームを出しているもので、やはりベースがあっさりしているので背脂だけでは限界があるだろう…と思いこんでいました。
しかし、萬来軒の尾道ラーメンは濃厚です。醤油と煮干しのガツンとした味に、背脂の甘みとボリュームが乗っかってすごい濃度。これにはせべの麺が絡みつき、中太くらいのボリューミーな平麺と一緒に満腹感が凄まじい。
かといって全体がバラバラで主張し合うわけではなく、きちんとまとめられてとても美味しい。
これは…正直観光の人たちも一回食べてみてほしいですよ\(^o^)/
そして、驚かされるのが炒飯。
盛り付けがずれているが、そんなことは無問題。
よく言う米パサパサパラパラの系統ではなく、しっとりしている系。やたら刻み人参が目立ち、傍目にも特殊な調理を用いているようには見えません。そんな炒飯は初めて食べるが…
ウ~~~ン!! ウマイッウマ過ぎっ!!
これも濃厚。しかし特筆すべきは、しっとりしているのにホロホロと口の中で米が分離しとても旨いじゃないか!
パラパラパサパサでないのに美味しい。これは炒飯というより超・焼き飯にも感じる。一見すると家庭っぽく野暮ったいが、これはさすがに家で再現するのは…無理でしょう。
尾道市の地元民が隠し持っていたおこだわりグルメ店、萬来軒。
地域の中華飯店といった出で立ちで、決してきらびやかではありませんでしたが、正直個人的には、尾道ラーメンはここが暫定一位です。
ちょっと観光ゾーンからは遠いですが、東尾道駅で下車して食べてみる価値はあると思います\(^o^)/東尾道駅からのアクセスもそう悪くないので、尾道に来た際はぜひ行ってみてください。
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